海の近くへ移住計画

自分のイメージや家族の希望をあれこれ考え抜いた末にやっと完成した設計図に沿って、実際の家が建てられる。
初めてマイホームの姿を実感できてくるのが建てるとき。ここでは『建てるにあたって』の素朴な?疑問をご紹介
図面の見方って難しい?
やはり慣れていないとなかなか具体的な空間イメージは難しいかも。
 
   設計図を見ただけで空間がイメージできるのは、プロやかなり慣れている人くらいで、ほとんどの人はなかなか難しいのが実情だろう。けれどこれも自分が住む家のため。わからないなりに掴む努力は大切。まず家の全体像を把握してみよう。だいたいの大きさはわかっているはずだから、そこから部屋の間取りや空間のつながりを想像してみる。ここで疑問点や不明点があれば、素直に聞けばいい。また建築家や設計事務所に頼んでいる場合には、模型やスケッチなどで説明してもらえばイメージがつかみやすい。また雑誌などで図面と写真が出ている場合は、どちらもよく見て慣れておくだけでも、想像しやすくなる。余談ですが、あの模型、普通に頼んで作ってもらった場合にはン十万円はするシロモノです。
建築デザイナーって選べるの?金額は高い?
なぜ選びたいか? を先に考えてみれば、いい選択ができるはず。
   デザイナーや建築家、設計事務所に設計をお願いする場合は、実際に家を建てる工務店は別に依頼することになるのが一般的。メリットは好きな建築家に設計してもらえること、数社の施工会社から適正な価格と実力の会社を選び、実際の現場チェックもプロの目から見てもらえる、ということだ。金額は建築費の10%~15%が目安。注意点としては、建築家の作品色が強く出る場合や、設計図と実際の施工で差が出た場合のトラブルなども考えられる。
建築家などに頼むかトータルで請け負う工務店に頼むかの前に、結論である『どんな家が建てたいのか?』という点から、どちらがベターか考えよう。
海沿いの家の注意点って?
地域にもよるが潮や砂、風向きなどをトータルに考慮することが大切。
   自然環境が多い海沿いの場合は、周囲の家の他に、この自然との共存を考えることが大切。太陽の方向から始まり、風はどう吹くのか、潮や砂も飛んでくるのかなど、トータルな観点から家のデザインを考えてみよう。思いきり海風が吹き付けるところに大きな窓をつけたら、毎日の窓拭きの苦労は相当なもの。その土地で実績のある建築業者なら、こうした土地の特徴はよく把握しているので、いろいろ相談してみるのが一番。大きな窓をどうしてもとりたいなら、土地から考えるか別の向きにとるかなど、いろいろな観点から相談に乗ってくれるはず。土地のことは土地の人が一番知っているのだ。
建築工法の違いって?
ズバリ、建て方の違い。それぞれのメリットやコストの差などがある。
   下に示した4つのイラストは、ポピュラーな建築工法の代表例。それぞれの特徴は下に示した通り。
  建築工法の違いというのは、木造か鉄骨かコンクリートかという材質の違いで大別できる。さらには、それぞれの材質の特徴を活かしたいくつかの工法に枝分かれしている。木造を例に挙げてみると、昔の大工さんが作るイメージそのままの木造軸組工法や在来工法と呼ばれている造りは、柱と梁、筋交いなどで家を支える工法。同じく木造でも2×4工法は、柱ではなく床や壁といった面で家を支える設計で考えられている工法だ。どちらがいいかは、どちらのメリットやデメリットが、自分の望む家にマッチするか、ということと、金額にも大きく左右される。
  高い順にコンクリート、鉄骨、木造となるが、木造とコンクリートの金額は、倍近い差になると思っていいだろう。これに、ハウスメーカーが独自の建築工法を考え出したり、大手メーカーならではの工場生産で管理された資材を使った工法など、さまざまに細分化されているのが現状だ。けれど工法を理解することと、自分が住みたい家を考えることは必ずしも一致しない。コンクリートのシャープな雰囲気の家に住みたいと思えば木造はチョイスできないけれど、間取りや窓の数や位置などのデザイン面では、今の技術ならどの工法でもほとんど対応できるからだ。家をチェックする際のポイントを抑えるために知るにこしたことはないが、工法ばかりにとらわれては、自分の家のイメージが決めづらくなる。
  木造枠組軸工法
日本で古くから建てられている最もポピュラーな建築工法。コンクリートの基礎の上の土台に、木の柱と梁の組み合せで建築していく。昔は現場で大工さんが木を切ったりしていたが、工場でプレカットした木材を使って組立てることで、精度の向上や時間や資源を無駄を省いていることも多い。木のため軽量で加工しやすいので、デザインの自由度も高い。
  2×4工法
2×4インチの断面の木材を使って組んだ枠に合板を張り面を作る。この面で家を支える箱のような構造がこの工法の特徴。柱がないため、広い空間作りや吹き抜けなどにも効果的な構造。パネル面でで構成されるため、耐震性や気密性も高くなる。北米などから取り入れられた工法で、日本での名称は枠組壁工法。
  RC造
引っぱりに強い鉄筋と圧縮に強いコンクリートの特徴を掛け合わせた、鉄筋コンクリートで建てる工法。網のように鉄筋を組んで型枠をはめ、コンクリートを流して固めるという方法。耐震性、耐火性、耐久性が高く、型枠さえ作れれば自由にデザインできる。ただしリフォームするには不向き。一般的に工期も長くなる。
  プレハブ工法
工場で先にある程度作り上げ、現場では運んで組み建てるという、シンプルな考え方の工法。工場生産するため、品質が均一に保てて、工期も短いなどメリットも多い。反面、画一化された規格品での対応となるため、家のデザインなどの自由度は低い。ハウスメーカーによっては、ユニット工法などとも呼んでいる工法。
家ってどのくらいの期間で建つの?
RC造を除く一般的な家なら、工事開始から約3~4ヶ月後が目安。
 
   家の工期は広さや間取りの数、工法などにより変わるものの、RC造のように現場でのコンクリート作業などがほとんどない木造や工場生産で上げてくるプレハブ工法なら、工事開始から約3~4ヶ月後が1つの目安。
  工期の長さは、転居のスケジュールはもちろん、建替えの場合なら完成までの仮住まいの手配や予算にも影響してくる。納期を優先させないといけない事情があるなら、この工期をスケジュールの中にしっかりと含めた上で、物件探しから始めればひと安心。しかし、そうそうスケジュール通りに物件が見つかり、家のデザインが決まり、ということはまずないと思っていたほうがいいだろう。建てた後の生活のほうが断然長いことを考えれば、慌てて契約する必要はないはずだ。
  工期は、ある程度のプランが見えてくれば、施工会社などはすぐに出せるもの。年末年始の引っ越しは避けたいとか、子供の学期のことなど、実生活面でのプランの参考に使おう。
建てる前にしっかり決めておくことは?
すべて決定させるのが原則。基本的には工事着工後の変更はナシ。
 
 基本的には全て決定させた上で工事に入ることが重要。反対に、まだ決めかねていることや心にひっかかることがあるなら、決定を出さずに打ち合わせを重ねること。着工後の途中での変更はミスの原因にもなりやすいし、大幅な費用アップも覚悟しなければいけない。変更自体はできないわけではないけれど、それまでしてきたことがすべて無駄になることもあるので、やはり避けるべきだ。また建築基準法の関係から変更できない点も数多い。
  見落としがちなこととしては、新たに購入を考えている家具や電化製品が家に入らないということもあるので、最終的なプランが決まる頃までには、大物家具や家電製品なども一緒に伝えて相談できることが望ましい。またペットを考えていたり、将来はピアノを置きたい、薪ストーブを導入したいなど、建築時にしたほうが効率的なこともあるので、できるだけ将来のライフスタイルの希望も伝えて、相談するのがベターだ。
 
ウッドデッキってどのくらい使えるの?
一般的なものなら、1年ほどで塗装を塗り替えておいたほうがいい。
 
   ウッドデッキには2×4素材が使われるのが一般的。ローコストなところが魅力的ではあるが、素材自体が柔らかいため、あまり長持ちはしないと思っていたほうがいい。塗装は傷み具合にもよるけれど、1年で塗り直すものと考えておこう。通常よりも3倍ほどコストアップはするものの、ウリン材なら3年程度の耐久性があり、木もしまっているので、ケースによってはこちらのほうが便利なことも。さらにコストをかければ、日本ではあまり使っている人は少ないハードウッド材なら半永久的に持つような素材もある。
  ウッドデッキを家のどの部分に導入し、どんな使い方をイメージしているかでも、使用する素材のチョイスが変わってくるので、単なる憧れではない具体的なウッドデッキの導入を、施工店などとよく相談するのがベスト。
海沿いならではの施工ってあるの?
湿気対策に注意。施工だけではなく生活でもこまめな換気が必要。
   施工面では、塩害、砂に強い外壁材のチョイスや、ドアや窓の位置などを、直接風の当たりづらい場所に考えるなど、ハード面の考慮は専門家である施工会社に相談することでほぼ解決する。意外と気がつかないのが、湿気対策。海が近いため、湿度の多い空気になる海沿いでは、特に湿気対策にも気を配りたい。施工会社からもさまざまな提案やアドバイスがあるはずだ。調湿作用のある無垢材の使用や塗り壁などの自然素材を内装に多用するなど、その対策もさまざま。実際の生活の中でも、こまめに換気するなど、ちょっとした気配りでも快適度が保てる。
その土地ならでは規制とかはあるの?
強制力はないにせよ地域の協住民定が結ばれている場合もある。
   法規制については誰もが守らなければならないものだが、これ以外にも各自治体で決められた事項や、地域の住民の意見をまとめた住民協定などが掲げられているエリアもある。これは基本的にはその土地に住む上で、みんなが快適に暮らせるように、というマナーに近いようなものが多い。
  例えば自分が東京から移り住みたいと思っているなら、その土地の不動産屋に聞いたり、自治体に確認してみればいい。また景観保護を目的に、建築物にも自制を求めている場合もある。いずれにせと、他所からその土地に移り住んで快適に暮らしたいなら、まずはそこのルールも知ることが第一歩。