海の近くへ移住計画

家は建てたら終わりではなく、建ててからがスタート。実際の生活をして、初めて家の善し悪しに気がつくもの。
さらには暮らしの中で気がつくことや、困ったことなど、ホントに家を建てる前に、多くの経験者の声を聞こう。
塩害の現実ってどんなもの?
家の外装から窓、ドア、金具。自転車、洗濯物、エアコンまでさまざま。
   塩害はかなり幅広い影響を与えているが、その特徴はやはり錆や腐食。家自体は施工時に、金属素材のバーツには錆止めや腐食止めなどで本体を保護する。問題はこうしたプロの処理がされづらい、一般の日常品。自転車をはじめとした金属パーツのある製品の錆や洗濯物への潮の付着。窓に潮が白く浮いていたり……。エアコン室外機はほぼ1年でメンテ、3年で交換なんてこともよくある話だ。海があるが故の真夏の道路渋滞や騒音なども一種の『宴害』と言ってもいいだろう。だが海沿いに住むということは、こうした自然環境の中で暮らすこと。こうしたことも楽しむ余裕が必要かも。
紫外線はどのくらい強いの?
海で反射される分もあるので、かなり高めな海沿いエリア?
   太陽の当たり方ひとつでも大きく変わるけれど、基本的には強いエリア。家の造形から考えると、例えば窓サッシの設置場所を工夫すれば、灯り取りとしても活用できる。この場合は部屋が暖まりすぎないように配慮することも大切。紫外線は色褪せの原因にもなるなど、デメリットのほうが強く出ることが多いけれど、太陽光の1つと考えて、上手に利用できる方法もある。こうしたアイディアは、やはりその土地の家を数多く手がけている建築業者の経験が一番。本音を言えば「熱いだけ」という声も聞こえてきそうだけれど、自然光とうまく付き合うことを考えるのも、バイザシーライフだ。
プロパンガスって安全?
安全性ではあまり差はなく、使い方によって他の熱源の選択も。
 
   地盤の関係や整備の都合で都市ガスがない場合は、プロパンガスが一般的だ。湘南や千葉などの関東エリアでも、まだまだ海沿いなどではプロパンガスのエリアも多い。プロパンガスは、ボンベが家の外に設置されていることで不安感があるかもしれないけれど、基本的に安全面では、特にプロパンだからと意識する必要はない。災害時の復旧の早さなどでは、都市ガスよりもプロパンガスのほうが早く復旧しやすいようだ。日常生活で使用する上では都市ガスと同じ感覚で使用できるのでプロパンガスに馴染みがなくても何も不便に感じることないはず。ボンベは業者が定期的に交換に回るのが一般的。料金面では地域差はあるものの都市ガスに比べて、多少の割高感がある。熱源の選択肢としては、ガスの他に、オール電化を選ぶ人も多くなっている。ガスと電気を比較することは難しく、どちらにもそれぞれの長所と短所があるので、自分たちのライフスタイルに合わせて考えていくのがいいだろう。
  自分たちが住む同じ地域での普及率やガスと電気を導入した人の例を工務店やハウスメーカーに聞いてみて検討すると、具体的にわかりやすい。
ペットと暮らすプランは?
特に内装材などに気を配っておけば、ペットにとっても快適。
 
 ペットの特徴(犬なら犬の、猫なら猫の特性)をよく理解した上で、検討するのがベスト。室内で飼う場合は、人間だけではなくペットの動線も考慮して家の間取りなどを考えられたらベストだろう。基本的な部分としては、床には滑りにくい素材を選ぶ、腰から下の壁には傷ついてもいい素材や、傷が目立たないような色の壁を選ぶのもいい。珪藻土を使用して、匂いを抑えるのも効果的だろう。またペットが自由に動き回れる空間を確保してあげることも重要。自分たちが目を離していてもペットが安全でいられるような空間があれば、例えばキッチンに入るときなどでも安心できる。家の設計段階からペットがいることが決まっているようなら、あらかじめ設計プランの中に盛り込めば、より快適な空間を造りやすい。またあとからペットを飼うようになった場合でも施工会社に相談してみよう。現状の設計から一番効果的なアイディアが生まれるかもしれない。  
外壁ってどのくらいでメンテするの?
汚れ具合と傷み具合で判断しながら築10年での塗装の直しが一般的。
   STEP 2の買うのコーナーでも触れているが、築10年で外壁の塗り直しを行うのが一般的な外装のメンテナンスのタイミングだ。だが海に近い、白や淡色の外装色で汚れが目立ってきたというときなどは、10年経たないうちに塗装の塗り直しをする場合も数多い。また、例えば壁に郵便ポストが設置されている場所や表札をつけた接合部分などから、雨水などが汚れをつけていく場合も多い。こんな汚れを一足先に知る方法は、家を建てる前に、自分たちの家の周囲の家を見て回ることと。その土地ではどんな汚れ方をするのか、どんなところが汚れやすいのかなどが見て取れる場合が多い。こうした周囲の家の状態も参考にしながら、外装色や外壁の素材などを選んでみてもいい。また下に挙げたリストは、定期的なメンテや塩害や汚れなどで点検や交換が必要になりがちな代表例。こちらも参考に、家を建てた後のことも今から相談しよう。

一般的にメンテや交換が必要になるもの
●外壁などの汚れ
●屋根の汚れや雨漏りなどのチェック
●エアコンの室外機
●アルミや金属製のものの錆や腐食
●窓や窓枠の汚れや腐食など
洗濯物はやっぱり部屋干し?
風があまりなく天気のいい日なら、それほど気にならないはず。
 
   やはり海の近くということで基本は室内干しのほうが、潮や砂の心配は必要なし。けれど風のない天気のいい日なら、特に外に干しても気になるレベルにはならないはず。ただ潮の他にも、夏場などはムシが寄ってくることも多いので、夕方までには早めに取り込むことをオススメ。どうしても潮っぽさや砂っぽさが気になってしまうという人は、設計段階からサンルーム的な部屋を作っておけば解決。ただスペースの問題がある場合などは、太陽光をうまく利用できないかも模索してみよう。窓の取り方やベランダの向きなど、なにか工夫できるアイディアがきっといくつかあると思うので、施工会社にもこうした要望を伝えてみよう。けれど、せっかく自然と一緒に暮らしているなら、潮風をタップリ浴びたTシャツもまたいいもの。地元の人にしか出せないいい味になっていることは保証します!
海辺に強い植物って?
判断の1つの目安は、海辺で自生している草や花ならまずOK。
 
 庭先に木や花を植えたいけれど塩分は大丈夫? と思ったときは、まず海辺をチェック。海辺に自生している植物なら、基本的にはOK。一般的に葉が厚くて固い、海岸線に自生している植物は塩分にも強いと言われている。ポピュラーなところでは、ソテツやコクチナシ、マテバシイ、エノキなどなど。またねむの木やブーゲンビリア、ワシントンヤシなども挙げられる。造園屋さんを探したり、施工会社に紹介してもらったりするのも確実だ。またどんな目的で植えたいのか? ということを考えておくと、候補のなかから絞りやすい。自然のブラインド的にリビング前の庭に植えたいなら、丈のある植物のほうが適しているし、カラフルな花を楽しみたいなら、まずは色目から選んでみるなど、選択はあなたの目的次第。またハワイアンフラワーなどの南国の花の中でも、日本の気候でも育てられる種類があるので、広く情報を集めてみるとガーデンライフももっと楽しくなる。  
イメージチェンジのリフォームのコツは?
簡単なものなら壁紙の張り替えから間仕切りを変える方法まで多彩。
   あまり予算や時間をかけずにイメージチェンジしたい、というときなら、部屋の色目を変えることから考えてみると効果が大きい。色の変化は一番、目につきやすいのでイメージチェンジの効果もすぐにわかりやすい。壁紙の色を以前とは違う系統の色にするだけで、ぜんぜん違う家にいるような雰囲気にすることも可能だ。壁紙の質感を変えてみるのもいいだろう。また照明を変えるだけでもイメージチェンジの効果は大きい。照明の色目はもちろん、間接照明にするとか、光の当たる位置を変えてみるなど、光源を動かしてみると、違った家の表情が演出しやすい。この他、カーテンの色や素材を変えてみるだけという、簡単な方法でもいいだろう。ちょっと思いきりたいなら、間仕切りを変えてしまう、という手もある。例えば2つの部屋の間仕切りをとって大きな空間にしてしまえば、開放感も倍増。建てる時点で、将来、子供の成長に合わせて間仕切りを変えやすいような造りにしてあれば、比較的簡単なリフォームで済む。また反対にパーティションなどを上手く利用して、ちょっとしたプライベート空間を作ってみても楽しいかも。
  さらに海沿いならではのリフォームとしては、家の外のイメージチェンジも楽しいもの。リビングの先をウッドデッキでつなげてみるとか、BBQスペースを作ってみるなど、DIY感覚の手作りイメージチェンジで、気分も体もリフレッシュできる。遊び感覚で気楽にトライできるのが嬉しい。
★移住までのまとめ
移住計画の結論は住みたい場所と欲しい家をどれだけ具体的に思えるか、だ。
 海沿いに住みたい! という思いをどういう方法で形にしていけばいいかを、4つのステップで紹介していった今回。ざっとそのおさらいをしていこう。
STEP 1は「物件探し」。鉄則はやはり自分で探すこと。けれど時間短縮のためにもネットや雑誌の情報も入手しておきたい。少しでも心に思った情報と、あまり残らなかった情報を分けておこう。心に残った中から気になるものは、実際に行って、その周囲の環境もチェックだ。逆に心に残らなかった物件は、ひとまず忘れておこう。不動産屋に入るときも、今は情報を集めているだけのところか、具体的な物件について詳しい情報が聞きたいかがハッキリしていれば、求めている情報にも出会いやすいだろう。
  SPECK 2の「買う」では、不動産に関する契約書の確認や、ローン、資金などお金の面からのマイホーム・プランだ。予算が見えないときは、年収+自己資金の金額を抑えておくこと。これで不動産屋はどのくらいの物件が買えるかわかるのだ。また総予算の内訳くらいは把握しておこう。
  STEP 3は最大の楽しみと苦しみ「建てる」。一番悩み所が多い家のデザインや間取りなど、実際の家を考えるときは、条件の優先順位をつけておく。このときは家族全員の意見を反映させておくことがポイント。
  最後のSTEP 4 は実生活。住む上でのポイントは、実際に住んでから気がつくことも多いのが現実。でもこれが一番楽しい海沿い生活のスタート!